先月の北海道ロケのネタです。
北海道へ行くからには広大な平原の風景、そして広々とした牧場の風景を是非ともドローンで空撮したいと考えました。
たまたま弊社(アクアジオグラフィック)の社長が以前、牧場でドローンで空撮を行った事もあり、その牧場のオーナーさんにお願いして今回もドローン空撮に協力して頂きました。
ドローン空撮を各地でお願いする時、時々「動物や鳥への悪影響」を懸念する事を言われる事があります。
実際ドローンを飛ばしていると、カラスが一斉に飛び立つとか、トビが縄張りから追い払おうと威嚇してくるとか、よく経験します。
なので、少なからず影響を与えている事は間違いありません。
ここで重要な事は、影響を与えているから、ドローンを飛ばしたらダメ、という判断はあまりにも短絡的だという事です。
私は、いままで水中の生き物(魚や海洋哺乳類)や陸上の動物を数多く撮影してきて感じる事は、
野生の生き物は、常に命の危険と隣り併せで生きています。なので、危険に対しては敏感に反応します。
ただ、必要以上に敏感にもなりません。
最初は警戒するけれど、命の危険は無いと判断すると何もなかったように平然とします。
危険と隣り併せは日常なのですから、過剰反応してたら生きていけないのです。
動物カメラマンはこういった生き物の習性を熟知して撮影をしているのです。
野生の生き物にとっては、日常的に何度も繰り返される命の危険に比べれば、ドローンの接近は、「ちょっとビックリ!!」程度の出来事なのでは?と考えます。
また、野生動物は、車のような無機物と人間のような生き物の違いをしっかり識別しているように感じます。
よくあるのが、山道を車で運転中、ばったり野生の生き物に遭遇した時、車では比較的近くまで接近できても、車から降りたとたんに一目散に逃げて行きます。
これらの事を考えると、生身の人間に比べれば、ドローンが生き物に与える悪影響なんてたかがしれている、と私は思うのです。
もちろん、執拗に特定の生き物を追いかけるとか、繰り返しストレスを与えれば悪影響も大きくなりますが、それはドローンの問題ではなく、そういう行為を行う人間の問題です。
話がそれましたが、ドローンの馬への影響は、まったく無いと感じました。
もちろん、背後からいきなり急接近というような事はダメです。
馬は人間には慣れていますので、馬が見ている前で、人間の横でドローンを飛ばしてドローンは恐れるものでは無いと最初に認識させれば、その後はまったく無関心になります。
ところで、"ばん馬"とは、十勝地方の名物”ばんえい競馬”の馬です。元は北海道開拓時代の農耕馬です。