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Channel: 水中カメラマンのデスクワークな日々
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Oculus Rift DK2用 実写VR(ヴァーチャルリアリティ)水中映像コンテンツ制作

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アクアジオグラフィックでは、4K超の高解像度映像制作として、
高解像度大画面パノラマ映像全天周ドーム映像のコンテンツ制作に積極的に取り組んでいます。

そして、これらの高解像度映像コンテンツをVRヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift DK2」用の実写版コンテンツ
として流用できないか、いろいろ試行錯誤&検証を行っています。

現状の技術レベルから総合的に判断して、アクアジオグラフィックでは以下の2通リの方法で
「Oculus Rift DK2」用の実写版コンテンツ制作に取り組んでいます。(2015年2月時点)

(1)正距円筒図法(Equirectangular)で展開された360度全方位映像の”擬似映像”を
  RED EPICや他の4Kカメラで超広角撮影した映像素材を元に変形&合成加工をして制作

(2)全天周ドーム映像と同等なフルドームマスターの”擬似映像”を
  RED EPICや他の4Kカメラで超広角撮影した映像素材を元に変形&合成加工をして制作

現在、360度全方位映像を撮影できるカメラや組システムはいくつか存在しますが、大きな課題が2つあります。
1つは、映像の解像度です。

Oculus Riftでは、360度全方位を覆った巨大な球形スクリーンに映像を投影している事になるので、元映像の解像度が高くなければなりません。

元の360度全方位映像がフルHDだと、フルHDを全方位の巨大スクリーンに引き伸ばして表示するのですから”ボケボケの映像”になってしまいます。
4Kでなんとか見えてもまだ物足りなく、8Kでようやく満足できるレベルです。
実写版VR360度全方位映像は、8Kでの実現が当面の目標だと考えます。

現在、8Kクラスの360度全方位映像を撮影するには、複数台の4Kカメラを組み合わせて撮影するしかありません。

しかし、上に360度全方位映像の”擬似映像”と表記したのは、5KカメラのRED EPICで撮影した映像素材を元に、加工合成して
8K360度全方位映像にみえるような”擬似映像”を作るという事です。


次に、360度全方位カメラで撮影する事のもうひとつの課題は、
360度全方位に、適切な被写体を捉える事ができるのか?
コンテンツとして面白い映像が撮れるのか?
という点です。

おそらく、建物の中、建物に囲まれた街、人為的に被写体を配置できるような場所、地形が特徴的な場所、
等は、360度全方位カメラで撮影するとそれなりに面白いVRコンテンツが作れると思います。

しかし、多くの自然風景や生き物の撮影、そして水中撮影では、映像として面白いのは限られた視界の一方向である事の方が多く、
それを360度全方位カメラで撮影した所で、殆どの画面は、面白くもなんでも無いような映像になってしまうのです。

そういう所も含めて、「情報」として価値のあるコンテンツも当然あります。

でも、「面白さ」を求めるエンターテイメントであれば、作り物でもいいから「面白さ」を追求した方がいいのでは?と考えます。

試しにRED EPICで撮影したマンタの水中映像を元に加工合成して作った擬似360度全方位映像が↓です。

Oculus Rift DK2 実写コンテンツ制作 マンタ 水中映像 ヴァーチャルリアリティ VR パノラマ映像 Equirectangular 正距円筒図法

加工合成しているので、8K x 4K のムービーに仕上げる事ができます。

しかし最大の問題は、8K x 4K のムービーを再生できる環境を構築できるのか?
という事です。

実際、Oculus Riftで視界に見えるのは上の画像の緑の枠の範囲です。
上下左右に頭を振っても360度全方向が見えるようする為に、視界に入っていない映像も必要なのです。

これは、考えようによっては、無駄が多く効率的ではありません。
1点1点じっくり見る写真と違って、時系列でどんどん映像が流れて行くムービーでは
360度全方向をキョロキョロ見渡すのは、最初だけ、基本的には正面を見ていて、
ストーリーが展開する方が観客には親切です。
時々、効果的に演出して、上下左右に視線を誘導させる見せ場があればいいのです。

このように「正面をメインに見せる事を基本」と考えると、360度全方位に固執しなくても、
ドーム映像のような全天周、または、前方半分のドーム映像でも充分だと考えます。


水中ドーム映像制作 マンタ フルドーム ドームマスター

↑上が、プラネタリウムのようなドームシアター用に編集したドーム映像
 8K360度全方位映像の半分のサイズ、4K x 4K です。

↓下が、Oculus Rift用に正面が中心になるように編集したドーム映像です。
 緑の枠がOculus Riftでの視野角で、上下左右を向いても映像が見えます。

Oculus Rift DK2 実写コンテンツ制作 水中ドーム映像制作 マンタ フルドーム ドームマスター

現在、ドーム映像が再生できるOculus Rift DK2のソフトには、

AMATERAS Dome Player
LiveViewRift

等があります。
完全に、半球のスクリーンを再現していない事もあって、Oculus Rift DK2でドーム映像を視聴して
感じる事は、解像度は、4Kもいりません。2Kあれば充分です。
1Kでもコンテンツが面白ければ全然問題無いと感じます。

一方、360度全方位映像(360°video)では
Kolor Eyes
があります。

360度全方位映像は、8Kクラスの高解像度360度パノラマ写真を見るのは良いのですが、
HDクラスのムービーでは全然物足りなく、4Kで当面は妥協というのが現状でしょうか。

現状(2015年2月)では、アクアジオグラフィックとして、
360度全方位映像は、試験的に、全天周ドーム映像をシアター用とOculus Rift用で共用できるような方法で取り組みたいと考えています。


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