先日のブログ記事4K最新動向(2014年前半)」の続きで、
4K記録できる家庭用途の4Kムービーカメラについて、私なりに感じている事を書いてみます。
機種としては主に
●Sony FDR-AX1
●Sony FDR-AX100
●Panasonic LUMIX GH4
で、特にSony AX100とPanasonic GH4は、20万円以下のお手軽価格で、そこそこ高画質な4K映像が撮れるという事で注目度が高いように思います。
私はこれらの機種で実際にじっくり撮影したわけではありません。あくあでも身近なユーザーの声、撮影データをいじっての感想、ネットの情報、等で感じた事ですので、そこはご了承ください。
さて、4Kムービーカメラという事で、どうしても高精細・高解像度に注目が行ってしまうのは理解できますが、
4Kムービーからの切り出し静止画像の解像感を見て、評価する例が多いのには、ちょっと疑問を感じます。
静止画像切り出しの解像感が高くクッキリしているという事は動きのあるものを動画で観るとパラパラ感、カクカク感が強くなります。
動きの少ない被写体をFIXで撮っている時は、非常に解像感が高く高精細な映像でも動いている被写体やカメラを動かしたとたん、映像がパラパラ・カクカクして見るに耐えない、そんなバランスの悪い映像も多くネットに見受けられます。
重要なのは、あらゆるシーンでの動画としてのバランスです。
パラパラ感、カクカク感が強い原因のひとつに、24p 30p 記録という点がありあす。
適切なシャッター速度(シャッター角度)で撮影すれば軽減できるものもあるでしょう。
映画は24p なんだから24p 30pでも充分という意見もあります。
しかし、滑らかさやリアリティを求めるなら24p 30pよりは60pの方が良いに決まっています。
(ちなみに FDR-AX1は60pです。 )
4K放送の規格が60Pになっているのだから、本当に必要かどうかは関係なく「4K60P」が業界標準として求められている。と、これは仕事で4Kの問い合わせを受ける毎に感じる事です。
今はまだ過渡期でしょうが、H.265(HEVC)のこなれた(低コスト、低消費電力)チップが搭載されるようになれば、いずれ「4K60P」が標準となるのではないでしょうか?
今は、まだ第一世代の4Kムービーカメラなので、「4K30p」は妥協できるスペックなのかもしれませんが、「4K60i」という選択肢もあって良かったのでは?と個人的には思います。
60i であれば比較的簡単に 60i → 60p 変換できます。
30p → 60p 変換は、以前に比べればまずまずの高品位な変換が可能になりましたが、4Kとなるとそれなりの処理時間が必要です。
次にフォーカスの話です。
4Kカメラでのフォーカス問題は、EPICやF55クラスの機種でも同様の問題があります。
シネマレンズでフォーカスマンが距離目盛で合わせるという古典的な手法でクリアする事もできますが、ファインダーやLCDモニターでピントの山を目視で掴んで合わせるという事が困難なのが現状です。
センサーサイズの小さい4Kムービーカメラでは、比較的深い被写界深度とオートフォーカスで一見問題無いように見えます。
しかし、条件によってはオートフォーカスが迷います。被写界深度が深いとはいえ、本当に合わせたい所にジャストピントでオートフォーカスが合っているとは限らない事もあります。
マニュアルフォーカスで合わせようとすると、深い被写界深度が災いしてピントの山が掴みにくい。
なによりやっかいなのが、4Kの大画面モニターに上映するまで問題点に気付かなかったりする事です。
さて、上記に上げた機種以外にも
Sony α7S
のように、外部記録で4Kムービー記録対応の機種もあります。
ただ、外部記録に関しては、過酷な自然条件が想定できるアウトドア用途にはどうしても心配があります。
氷点下20度以下での動作、強い風雨の中での使用、水中撮影、等での使用を想定すると現実的ではありません。
本体でも4K収録できるけれど、バックアップとして外部記録も平行して可能である、というのであればいいのですが。
ところで、4Kカメラや4Kテレビ・モニターが続々と出てくるのは良いのですが、
一番肝心な「4Kプレーヤー」、お手頃な「4Kプレーヤー」がどこからも出てこないようでは、4Kは普及しませんよね!!
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4K最新動向(2014年前半)-- 4Kカメラ編
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