先週末に発生した(今もまだ継続中)気になる2つのニュース。
ひとつは、バリ島沖でのダイバー遭難事故、もうひとつは、大雪による立ち往生&孤立という自然災害。
この2つは、私にとっては「いつか当事者になるかもしれない?!」と他人事ではいられない非常に危機意識を持って注視しているニュースです。
バリ島沖でのダイバー遭難事故の詳細はわかりませんが、概要としては、
「ドリフトダイビング中に、天候が崩れ、ボートが浮上したダイバーを発見できず、ダイバーは潮流に流されて漂流。」
おおまかにはこのような事のようです。
雨季の熱帯地方では、ごく日常の”にわか雨”のスコールでも、10m先すら見えない程視界が悪くなる事があります。
それが5分10分程度の通り雨だったとしても、たまたまドリフトダイビングの浮上時に重なり、そこが潮流の速い
ポイントで、しかも外洋のポイントだったら、、、今回のような事故は起こってしまいます。
どんなにベテランダイバーでも、海を知り尽くしたボートの船長でも、不運が重なれば防ぎようがありません。
結局、安全な対策はというと、「ドリフトダイビングをしない」
それしかありません。
しかし、それでは、「ダイビングは危ないからダイビングをしない」
と言っているのと同じです。
危険を十分承知した上で、万全の安全対策をし、自然条件をしっかり見極め、可能な限りリスクを減らして、安全に楽しむ。
不安要因があれば止める決断を自ら行う。
言葉で書くのは、簡単ですが、これを常に考え実行する。他人任せにしないで、最終的には自分で判断する。
そうするしかないというのが、私の今の考えです。
危機意識を持って、万全の対策をして望めば、ある程度リスクを低減できます。
しかし、リスクは低減できるだけで、ゼロにする事はできません。
言い換えれば、長い年月で、回数を重ねれば、いつか、たまたま不運が重なり、事故の当事者になってしまう事だって起こりえるのです。
長年、ダイビングをしている身近なダイバーと話をすると、例外なく全員、危なかった経験の2つや3つ誰でもしています。大事にならなかったのは、たまたま運が良かっただけです。
これは、ダイビングのような危険を伴うスポーツ/レジャーだけの話ではありません。
今回の大雪による立ち往生&孤立という自然災害でも同じ事だと思います。
例年冬になると、私は雪景色を求めて、車中泊ロケで雪国へ遠征をしているのですが、まさに今回のような事態に巻き込まれるリスクを
想定として、万全な装備をし、可能な限り深刻な事態は避けれるよう情報を集め行動しているつもりです。
先週末の雪は、事前の予報だとせいぜい東京の積雪は5cm程度、山沿いでも30~40cm程度だったので、「富士山周辺で雪景色と富士山でも撮ってこようかな」
なんて軽く考えていました。
結局出かけなかったのは、出かける前に雪が降り始めてしまったからです。
積雪5cm程度の予報でも、東京近郊の高速道路はすぐ通行止めになってしまうのは容易に予想できます。
自分は、4WDでスノータイヤだからと言っても、前方を走る車のたった1台でも路上で立ち往生してしまうと自分も身動きできなくなってしまう、って事も予想できます。
雪国のロケと違って、普段あまり雪が降らない所では、雪が降り始める前には、現場で待機している事が鉄則です。
ただ、今回は本当に出かけなくて良かったと思ったのは、山梨県は一晩で1m以上の新雪が積もったという事。
30cmの新雪でも大変なのに、1m以上なんてとんでもありません。
雪国なら除雪道路の近くであれば、自力で車の周りをがんばって除雪して除雪道路まで脱出する事もできるでしょうが、
除雪の習慣が無い山梨県だとどこにいたとしても身動きできなくなってしまいます。
そういう時の為に、車には一週間分の食材と飲料水は常に積んではいるのですが、あくまでも緊急時対策なので、避けれるならそれに越したことはありません。
もし、今回雪が降り始める1日前に余裕を持って現地入りをしていたら?富士吉田か鳴沢辺りの道の駅で雪に埋もれていたかもしれません。
これは、事前の情報では避ける事ができない、「運が悪かった」というしかありません。
日本には、地震/津波もあれば、台風や豪雨も多いし、豪雪もある。。安全な場所なんてどこにも無いのかもしれません。
人間は自然の中で、生かされているだけで、今まで大した事故・自然災害に会わなかった自分は、「たまたま運が良かった」だけに過ぎない。
今回の2つのニュースを見て、それを強く思ったのであります。